作品についての想い

始めたキッカケ

桑沢デザイン研究所を卒業して、雪印乳業のパッケージなどをデザインしていました。その後デザイン会社に入社しますが、一年余でデザイナーとしての将来に夢をいだけず退社しました。あるとき母が、水戸の観梅ツアーの帰り道にたまたま笠間に寄り、笠間焼の窯元福田製陶所を訪れます。そこでたくさんの若者が、福田製陶所で修行しているのをみて、感動したそうです。「茂夫! 貴方のように、髪の長い若者たちが焼き物作っていたよ!笠間焼だよー」母の言葉に惹かれて、さっそく福田製陶所を訪ねました。福田製陶所にて、「器用だから」と言われて、ろくろ担当となって弟子入りします。その後、「東風舎」という窯名で、須藤陽子と共に作陶生活を送って今に至ります。

作品作りで大切にしていること

私は、一点物の陶の灯りを得意として制作し続けています。デザイン性の高い、洋食器類が得意です。ろくろのスピードや的確な造形力などの技術は、東風舎のうつわ類の制作において欠かせないものです。

作品を作るときは、使い易いものを作るということを大切にしています。また、オーソドックスなバランス感を大切にしたいと、心がけています。元デザイナーであった自分のこだわりだと思います。

作品作りをしていて一番嬉しいこと

以前お買い上げいただいた方が、また東風舎にいらして購入してくださるが一番嬉しいですね。「あのコーヒーカップ、プレゼントで差し上げたのですが、とても喜んでいただけましたよ」と言って喜んで頂けた時は、本当に陶芸を生業にして良かったと思います。

今後のこと

笠間焼の今後

笠間焼きは、伝統からアートまでいろんな作品があり、若い作家さん達が個性ある作陶をしています。まだ東京方面の方々に知られていないと感じますので、是非皆さまに笠間の魅力を知っていただきたいと思っています。

陶器のもつ温かみ、手作りの物にはパワーがあります。皆さまの生活空間を、心豊かにできる要素があると思っています。ぜひ器を使ったりオブジェを飾ったりして、生活の中で楽しんでいただきたいと思います。

今後の目標

うつわ類は、使いやすくてデザイン性の高い作品を作り続けてきたつもりです。カップ類は、主に贈答品や記念品にお使いいただきました。これからも継続して、時代の要求に応えていきたいと思います。陶の灯りは一点ものですので、自分自身の世界観を表現したものを目指していきたいと思います。

作家のプロフィール

名前

須藤茂夫

工房名

東風舎

出身地

東京都

陶歴、受賞歴

1969年 桑沢デザイン研究所 卒業
1971年 笠間市福田製陶所に入る
1972年 辻清明氏に師事
1973年 笠間市に築窯し独立
1977年 都美術館にて汎美回出品
1990年 水戸伊勢甚百貨店にて
笠間陶芸作家展に出品(以後毎年出品)
1996〜7年 日清めん鉢展入選
1997年 北茨城市 天心大賞受賞
2002年 札幌ビアマグランカイ入選
2006年 波佐見町 めし碗グランプリ入選